2010年10月10日日曜日

貧しいということ

最近のETV特集は本当におもしろい。

ETV特集「“小さな金融”が世界を変える~アメリカ発 元銀行マンの挑戦~」を見ていて、貧困について痛烈に感じたことを思い出した。

俺が25歳のころ、セブ島に友達と行った。
スキューバダイビングやカジノを堪能してほんとに楽しかった。
ある日、バイクタクシーを雇って町を遊びまわっていたとき、タクシーのドライバーがいきなりストリップに行こうと言ってきた。
女の子も一緒にいたからためらっていたんだけど、むしろ女の子とは積極的。
男のほうがビビッてたから、みんなで行くことにした。

日本円で300円くらいを払ってストリップに入ると、踊り子さんはめちゃくちゃ若くてかわいい。
別に少しのお金を払えば、お触りも可。
純粋な俺はなんてことだーってショックを受けていたんだけど、そこでドライバーが、


「この国で一番人気があるアルバイトはなにか知ってるか」


って聞いてきた。知らないって答えたら


「ストリップ嬢だ。この子たちはみんな、ここで稼いだお金で学校にって勉強してるんだ」


親からお金を出してもらって博士号まで取得した俺にとっては、全く信じられない話。
セブ島の人たちが貧しいことはそれまでに肌身に感じていたけど、貧しいということの厳しい現実を目の当たりにした。

で、思ったのは、


「自分の娘に体を売らせなければいけない。


本当に貧しいというのはこういうこと。


実際に、セブで起こっていること。


そんな状況、俺は絶対耐えられない。」


いつも思うけど、今の日本人は貧しいということの意味を知らない。
それがこの危機感のなさの原因だと思う。
それはそれでいいけれども、日本がああいう状況にならないことだけを望んでいる。

日本人は極めてまじめだから競争力はめちゃくちゃ高い。
でも今、毎年50兆円もの借金をしている国で、スーパーインフレが起きないと誰が断言できるか。
今、金融システムの崩壊というまったく別の方向から危機が迫っている。


日本が貧しい国にならない確率が、ゼロでなくなりつつあることを感じている。

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