2010年10月5日火曜日

ノーベル物理学賞、発表!

私も物理を専攻しているものとして、当然、今日のノーベル物理学賞の発表は興味を持っていました。
正直、グラフェンでのノーベル賞は少し早い気がしますが、受賞した先生方の成果を見ると納得です。
はー、36歳で教授、そしてノーベル賞。。。
どんな気持ちなんだろう。。。
私には、想像もできません><

ま、それはいいとして、グラフェンと兄弟分のカーボンナノチューブの研究をしたことがあるものとして、グラフェンの解説をしてみたいと思います。

グラフェンは一言でいうと、炭素でできたものすごーく薄い膜です。
厚さはまさしく、炭素原子1つの厚さ。
だいたい、10億分の1メートルくらいですかね。
信じられます?
こんなに薄いと、もはや私たちの世界とは違う現象が起こります。
電子は波としての性質をもち、電子がいる場所と運動量を同時に決めることはできない。
いわゆる、量子力学ってやつです。
こんなに特殊な特性をもった物質が室温で実際にでちゃうもんだから、めちゃくちゃ興味深い!
ものすごーく多くの研究者が飛びついて、世界中で盛んに研究が行われています。

で、おもしろいのが、こんなに興味深い物質が、次のように信じられないほど簡単な方法でできちゃんです!

以下が、グラフェンのレシピ。
まず、炭素の塊を持ってきます。
これは少し高いですが、研究用に売ってます。
次に、この塊にセロハンテープをペタ!
最後にセロハンテープをベリって剥がすと、セロハンテープの表面に1原子の炭素の膜、つまりグラフィンがくっついてきます。
で、終り。
いやー、ほんと信じられないほど簡単。
でもやっぱろこれが1番いい方法だということで、世界中の研究者がこうやってグラフィンを作ってきました。

以上、簡単にではありますが、グラフェンの解説でしたー。
いかがですか?
もしわからないことや私の間違い等がございましたら、ぜひ遠慮無くコメント欄にお願いいたします。



以下、余談です。
グラフェンにとてもよく似たものが、身の回りにあります。
それは、鉛筆で書いた時の黒い線です。
鉛筆の芯は、炭素の膜が積み重なったもので、紙とこすらせると炭素の膜が1枚ずつ紙にひっつきます。
これが、鉛筆で字がかける原理。
厳密に言うと炭素の膜が一つの原子ではないのでグラフェンとは言えませんが、ものすごーくうすーく鉛筆で書いたらもしかたら、グラフェンといえる部分ができるかもしれません。

余談No. 2です。
今回の受賞は、私としてはすこしショックなものでした。
みなさん、カーボンナノチューブという名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
カーボンナノチューブは日本の飯島澄男先生が発見したもので、日本初の大発見でした。
というわけで、いつノーベル賞が出るかと楽しみにしていたわけです。

と・こ・ろ・が、カーボンナノチューブ、実はこれ、グラフェンをぐるぐるっと巻いたものなんです。
つまり、カーボンナノチューブとグラフェンは兄弟みたいなもの。
で、もう一人、兄弟がいます。
それは、グラフェンを使って完全な球を作ったもので、フラーレンです。
つまり、フラーレン、カーボンナノチューブ、そしてグラフェンは3兄弟といえます。

で、この3兄弟のうち、フラーレンの研究に関して1996年にノーベル化学賞が授与され、今回、グラフェンに関してノーベル物理学賞が授与されました。
ということは、カーボンナノチューブは・・・どうでしょう。
うーん、厳しいかなー。。。

でも、ノーベル賞は、世の中を変えた発明に対して授与されるものです。
カーボンナノチューブは応用を目指して、今も盛んに研究されています。
近い将来、世界を驚かすブレークスルーがでて、私たちの生活をよりよいモノにしてくれるよう、そしてノーベル賞が授与されるよう、強く望んでいます。

以上、私なりのグラフェン解説記事でした^^

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