2013年1月8日火曜日

私にとっての理想的な論文の整理方法


研究ではいつも膨大な量の参考文献を読み、その感想を適切に保存しなくてはいけません。
これまでは紙に印刷して棚に保存していましたがとにかくかさばるし、私はとても忘れにくいので見たいと思ったときになかなか見つかりません。
そんな中つい先日、私にとって理想的な論文の整理方法がついに見つかりましたのでご紹介します。

私の環境はMacです。
利用するソフトウェアはWindowsにも対応しているはずですが、詳細で違うことがあるかもしれません。
どうぞご了承下さい。

まず私のニーズは、
1、参考文献の情報とPDFを、インターネットを通してワンクリックで収集する。
2、文献PDF中の本文も含めて検索可能にする。
3、検索結果の閲覧画面は見やすい。
4、iPadやiPhoneでも閲覧可能。
5、当然、参考文献をBibtexに出力可能。

このニーズを満たしてくれるソフトウェアをいろいろ探したのですが、なんとフリーのソフトを使って実現できます。
特に4まで実現できるとは思ってもみませんでした。
ものすごく便利になったものです。

さて、方法をご紹介します。

フリーの文献管理ソフトウェアのMendeley DesktopとZetoroを組み合わせて使います。
Mendeley: http://www.mendeley.com/
Zetoro: http://www.zotero.org/support/ja/start
この2つのソフトウェアにはそれぞれ利点と欠点があるのですが、これらを組み合わせることでうまく補えました。
ちなみに、扱う雑誌によってはMendeleyを使うだけで上のニーズが全て満たしてくれることもあるようですので、まずはこちらをご検討下さい。
私の場合は残念ながら、Mendeleyで文献のPDFが一喝取得できなかったので以下の方法を使います。

方法はとても簡単です。
1、MendeleyZetoro Standalone をインストールしてください。
2、Zetoroのブラウザ拡張機能をインストールしてください。ブラウザがFirefox、Safari、そしてGoogle Chromeから選べるのでとても便利ですね。
3、Mendeleyにおいて「Mendeley Desktop」→「Preferences」→「Zetoro / CiteULike」→「Zetoro integration」のチェックボックスをクリックしてチェックをつけます。
4、まずZetoro Standaloneで同期ボタンを押し、同期が完了したら少し待ち、MendeleyでもSyncボタンを押します。これでZetoroに登録された参考文献がPDFごとMendeleyに同期されます。
5、Mendeleyを使って論文の検索や閲覧を行います。

これで完成です!
私にとってはMendeleyの表示形式はほぼ理想的です。

新しい文献を登録するときにはまず、MendeleyとZetoroの両方を起動します。
次にブラウザ中の文献追加ボタンを押してZetoroに登録し、その後に同期作業を通してMendeleyに再登録します。
2つのソフトを使うので少しややこしいですが、論文整理の煩わしさに比べたら屁でもありません。

ちなみにMendeleyはiPadとiPhone版のアプリを提供しているのでとっても便利です。
これで、いつでもどこでも論文が読めますね!

最後に、私はEndnoteに整理した論文を全てMendeleyに登録しましたが少しだけこつがあります。
少し長くなったのでこれについては別の日に。

ドラッカー 「断絶の時代」


久しぶりに、ドラッカーの「断絶の時代」を読んでいる。

恐らく50年ほど前の著作なので少しタイムマシーンに乗っている感じがするけれども、内容はむしろ新鮮さを感じる。
時代に依存しない普遍的な真実を語っているということなのかな。

56ページから、日本における高度経済成長の背景が語られている。
戦後日本がグローバル化を基軸としていたという記述があって、なるほどと思った。
貿易立国の日本は確かに、グローバル社会の最先端をいっていたわけですね。
そしてその対局にいたイギリスへの批判が続く。
日本は明日のために投資し、イギリスは昨日のために投資する。
今の日本、明日に向けて投資できているのだろうか・・・
疑問だ。

ちなみにこの記述の少し前に、
「自由貿易から生ずる突然のインパクトから産業を保護するための正しい方法は(一部省略)、苦境に陥った企業や労働者に対する短期の補助金である。この目に見える直接的な保護の方が、眼に見えず、しかも社会に撮ってコストのかかる間接税や輸入手当よりよほどましである。」
とある。
この間接的な方法というのは、あのリーマンショックの直後のエコポイントが該当するのではなかろうか。
日本はこの件に関して身にしみたな〜と思ってみる。